HOPE計画創設25周年記念
地域住宅計画全国シンポジウム2008 京都大会


長江家住宅・船鉾町会所エリア

●長江家住宅
 長江家三代目の大坂伊助が文政5年(1822)に、現在の地に土地家屋を取得して代々の呉服商を営んできました。現在の建物は元治8年(1875)に大火で消失した後再建された物で、平成 17年長江家住宅の北棟 (内装の除く)、南棟、離れ座敷、化粧部屋、土蔵2棟の6棟が「京都市指定有形文化財」に指定されています。

●船鉾町会所※
 祇園祭船鉾の祭執行の基地として祭りの当日はもとより、平時から囃し方の練習等、活用されている施設です。改修では、明治期の再建当時の外観や内部の意匠を一部復元したほか、建物の保全と安全性の確保に必要な構造補強を行いました。建物の所有・運営は(財)祇園祭船鉾保存会により行われており、祇園祭の期間以外は京絞りの店舗として利用されています。

●左近邸※
 大正5年に建てられた元材木商家。一旦は決まりかけたマンションへの建て替え計画を白紙に戻し京町家のまま維持し使われることになりました。随所にこだわりの銘木が施された母屋の修理・修復工事を行い、仏光寺界隈の景観保全に寄与されています。改修後は、デザイン関連の事務所とカフェに利用されています。

●陶 点晴 かわさき※
 五条坂、陶器神社の近くにある陶器店。傷みが目立ち始めた各部の補修とともに、本来の京町家の姿に戻す改修工事がなされました。明治期の建物を受け継ぎながら、気軽に清水焼きに触れられるお店として再生することで、地域の景観を守るだけではなく周辺一休の回遊性も増し五条坂の賑わいにつながることが期待されています。

※「船鉾町会所」「左近邸」「陶 点晴 かわさき」、これらの京町家の外観部分の改修は「京町家まちづくりファンド改修助成モデル事業」の助成を受け修復された建物です。